制限の中に想像は生まれる

エージェントゲートは250名ぐらいの中小ベンチャーです。
上場企業のような大企業からすれば、まだまだ制限だらけの会社といえるでしょう。それでも、ずいぶん仕事をする環境は整っている方だと思いますが。

私は数年前、上海で仕事をしていたことがありました。上海では、空調は変えるまで当然使えると思っていると突然切れたり、プリンターはどんなサイズでも出るものだと思っているとA3は出せなかったり、当たり前と思っていたことが実は当たり前ではなかったということに気づかされました。

また、視覚障碍をもつ仲間と働いたこともありました。いままでは普通に資料を出力して、その資料を基に会議ができました。でも、彼はその資料をみることができません。どうしたら、彼と一緒に会議が円滑にできるのか。そんな制限があるからこそ・・・じゃあどうすればよいのかという「創意工夫」がそこには数多く生まれたことも事実です。

仕事をしていても制限がよくあります。予算がない、時間がない、リソースがない。制限があることを嘆くのではなく、だからこそ、知恵を絞りその課題を解決することに意味があるのではないでしょうか?制限があるからこそ創意工夫が生まれ、社会にイノベーションを起こせるんだと私は信じてます。

ジグソーパズル

エージェントゲートにはミッション、ビジョン、バリュー、行動規範というものが存在しています。全社員がその内容を理解して、更には人に語れるようになってもらいたいと考えています。そのため、3か月に一度テストも行って理解度を深める努力をしています。

もしかしたら、そんな面倒なことしてるんだ。ビジョンとか社員が理解しても意味がないんじゃない?と考えられる方もいるかもしれません。なぜ、僕らはそれほどまでにビジョンやミッションを大事にするのでしょう?

私はジグソーパズルが大好きで2000ピース、3000ピースといった大きな作品も何度か作ったことがあります。実はジグソーパズルは完成させない(厳密にいうと絶対にできないわけではないですが)方法があります。1ピース隠すと考えた方…意地悪が過ぎます(笑

ジグソーパズルは箱に入ってますが、その箱の表紙にはその完成図が描かれていることがほとんどです。その箱を渡さないと、ジグソーパズルの何度は格段に上がります。相当慣れている方以外はほぼ完成できなくなると思います。つまり、完成図を見ずに物を作るというのはものすごく難しいということです。

会社のミッションやビジョン、バリューや目標というのはそれぞれの会社の目指すもの、完成図に他なりません。ミッションやビジョンを理解せずに働くというのは完成図を見ずにジグソーパズルを作ろうとするのと同じです。社員全員が完成図を理解して、自分のはめるべきピースを必ずはめる。それがエージェントゲートの考え方です。

人の話を聞く力

エージェントゲートのマネージャー陣には「部下から相談があった場合、相談内容を解決しようとせず、まずは一旦すべての話を聞いてください」とお願いしています。もちろん、話を聞ききった後で、問題解決の方法を一緒に考えるのは大切ですけど。

頭の良い人であればあるほど、相談を受けたとき、話の途中で「あぁーそれはこういう相談だね。だったらこうしたらいいよ」という答えが頭に浮かんでしまいます。でも、それでは問題解決した満足感よりも、話を聞いてもらえなかった不満が残ってしまうものです。

以前テレビで石田純一さんが女性の話を聞いてあげるという番組がありました。聞く時のルールがあり、石田さんは「へぇー」「そうなんだ」「なんで?」とかいくつかの決められた言葉しか発してはいけない。というものでした。つまり石田さんは話をしてはいけないのです。でも、30分ほどの会話が終わり、女性に話を聞いてみると、全員が全員・・・「思った通り、石田さんはとても話の上手な方でした」と口をそろえて言うのです。

話を聞く力のことを「傾聴力」といいますが、話が上手だというのは傾聴力の高い人のことなのかもしれませんね。私自身もそうありたいと思います。

事実は一つ受け止め方は無限大

エージェントゲートの代表である緑川は、非常にポジティブです。本人もですし、そういう人間を好みます。独立する以前はトランス・コスモスという会社に所属してまして、トップセールスマンでした。実はそのころの彼の上司と偶然にも自分は何度か食事したことがあります。

その上司の方は以前、自分の会社を経営されていて、トランス・コスモスさんにその会社を買収された方でした。ご自身で会社を経営されていたころ、すごく立派なオフィスに移転され、その地代家賃で年間数億円の赤字を出された時期がありました。でも、食事の時に「あのタイミングであのオフィスに移転したのは本当に良かった。なぜなら、そのおかげで今の取引上位のクライアントさん達とお付き合いが始まったのだから」と仰ってました。

お話を伺って、経営者のメンタリティーってこうなんだろうなと勉強させられました。「~のせいで」と考えるのではなく「~のおかげで」今の自分があるという感謝の気持ち。赤字を出してしまったという事実は誰がどう見ても変えようがありません。でも、その事実をどう受け止めるのかは、受け止める人、次第なんだなと。

財布を落とせば、財布を無くしてしまったという事実は一つですが、ちょうど、買い替える時期だったんだなと受け止めることだってできるということですね。その方のDNAは緑川にも受け継がれているように思います。そしてそのDNAを私たちも受け継いでいきたいです。

WILL

エージェントゲートではMUST(しなければならない)よりもWILL(したい)という言葉を大事にしています。もちろん目標などは存在するので会社としてしなくてはいけないことは存在します。が、指示を受けて、義務でやらされている仕事って本当につまらないですよね。疲労は溜まるし、成果も出ません。

皆さんは学生のころ得意な教科や苦手な教科ってありましたか?私は本を読むのは大好きでしたが、物理は大っ嫌いでした!!物理の勉強は5分すれば眠くなり、何も頭に入ってきませんでしたが。逆に徹夜で本を読んでも、疲れはしますが、もっともっと本を読みたくなったものです。そう、仕事でも仕事じゃなくてもやらされていることって人のモチベーションを下げ、疲れてしまいます。逆にやりたいことならどれだけ頑張ってもますますモチベーションは高まり、疲労は心地よいものになります。

エージェントゲートのマネージャー陣は部下に「こんなことがあったのですが、どうすればよろしいでしょうか?」と質問された際に必ず言わなくてはならない一言があります。それは「君はどうしたいと考えているか?」という質問です。マネージャーですから、もちろん質問に対する回答は経験値から持っています。しかし、その正解よりももっと大事なこと・・・それは自分はどうしたいのかということだからです。もしこの質問をしたときに自分なりの答えを持っていない場合怒られてしまいますが、答えが間違っていたとしてもそれは怒られません。

これからもエージェントゲートではWILL(意思)を大事にしていきます。

成果の法則

尊敬する経営者の一人に船井総研の船井幸雄さんがいらっしゃいます。船井さんの書籍はほとんど読みました。たくさんの学びがありましたが、その中に成果の法則について書かれている部分があったのを記憶しています。厳密には「成果と意識の法則」とでもいうのでしょうか。

仕事の成果については以下のような法則があるというものです。仕事は指示を受けて、やらされている場合の成果を1とした場合。なぜその仕事をやらなくてはいけないのか?つまりその仕事の意味を正しく理解すると成果が1.6倍になると船井さんは言ってます。上司の指示あるいは先生の指示でトイレの掃除をした場合、なんで俺がトイレ掃除なんてしなくちゃいけないんだ・・めんどくさいな。と思ってやる場合の成果が1なら。トイレがきれいなら働く仲間やいらっしゃるお客さんがトイレを気持ちよく使うことができて、生産性が高まるから自分はトイレを掃除している。と思ってやれば成果が1.6倍になるということですね。

さらに言えば・・・自ら進んでやった場合はその1.6倍=2.56倍に成果はなるようです。指示されていやいややる:やる意味を理解してやる:自ら進んでやる=1:1.6:2.56ということですね。

エージェントゲートではできるだけやりたいと思う仕事をやるようにしています。そう聞くと生意気に聞こえますが、なぜならやりたい仕事だからこそ、自ら進んで取り組むことができ、それがお客様への成果につながるからに他なりません。

ブランディング

エージェントゲートのクリエイティブチームでは企業のブランディングを行っています。ブランディングという言葉はよく耳にしますが、実際どんなことをするのかはなかなかご理解いただきにくいものです。

私が小学生のころ国語の授業で大岡信さんの「言葉の力」という作品を読む機会がありました。そこにはこんなことが書かれています。ある日、作者が旅行中に桜色にきれいに染められた手ぬぐいに出会います。桜の染料でこんなにきれいに染まるものなんだと感心しながら、店員さんに「桜の花びらでこんなにきれいな色がでるんですね?」と質問します。すると店員さんは、「いえ、これは実は桜の木の皮を煮詰めた染料で染めるんです」と教えてくれます。

桜の木の皮といえば・・あの茶色でごつごつしたとてもピンクとは程遠い色です。でも、その皮を煮詰めていくと花びらと同じかむしろ花びらよりも美しいピンク色の染料ができるのです。つまり、桜の木というのは私たちが目にする花びらだけではなく、枝や幹も含めて・・木、全体でピンクに染まっているのです。

企業でいえば、目に見える花びらとはロゴマークやウェブサイト、会社案内といったものになります。もちろんそれは企業の顔となるものです。しかし、ブランディング的にいえば、そこだけがピンクになっているだけのでは意味がなく、木や幹である人事評価、教育制度から営業の話し方、電話の受け答えに至るまで全てのものがピンク色になってなくてはいけないということです。

エージェントゲートの行うブランディングとはそういったお手伝いをすることなのです。

信頼する

会社は組織です。人が複数集まればそれは組織と言えるでしょう。エージェントゲートは現在250名の仲間がいる組織です。エージェントゲートが組織の運用で大事にしていることの一つに、「信頼」があります。相手がどうかではなく、まずは自分がどうかを考え、相手を信じるということです。

ある本にF1ドライバーの中野信治さんの話が書いてありました。中野さんは世界三大レースのすべてに出場したことのあるただ一人の日本人です。若い方はあまりご存じないかもしれませんね。中野さんは文化や言葉、宗教など全てがバラバラの人たちが集まる組織の中で最も大事なことは「相手を信じきること」だと書いていました。言葉や文化の違いなど何の問題もないそうです。

その中野さんがあるレースで車と一緒に炎に包まれてしまったことがあります。ガソリンタンクが閉まっていなかったというスタッフの初歩的なミスでその大事故は起こってしまいました。燃え盛る炎の中ではシートベルトも外すことができず、誰もがもう駄目だと思いました。助けられるときは、グローブを外すと手の皮も一緒に剥がれてしまったそうです。

その時のスタッフの気持ちを想像すると胸が締め付けられそうです。自分のミスで仲間の命すら奪ってしまうところだったのですから。

傷が癒え、彼がチームに戻ってきたとき、チームのメンバーに言った言葉があります。スタッフはどんなことを言われても仕方がないと覚悟をしていたに違いありません。が・・・たった一言だけ「次のレースはこのチームで絶対に勝とう」とだけ言ったそうです。その時のメカニック達の感動は容易に想像できます。命すら奪ってしまうほどのミスをしてしまった自分たちを信じきってくれている。そのことがどれほど勇気を与え、チームに力を与えたか分かりません。

300キロを超えるスピードでコーナーに突入するF1の世界で、少しでも仲間を疑っていては勝負にならないのでしょう。エージェントゲートでも仲間を信じ切ることで、それぞれの能力を全部出し切りたいと思います。

比べるのは昨日の自分

エージェントゲートではダイバーシティー(多様性)を非常に重要視しています。人にはそれぞれの持って生まれた能力、後天的に身につけてきた能力があります。その個性も能力も適性も100人いれば100通りあります。それぞれ異なる資質を伸ばしていくのが会社の本来の教育だと思うのです。

多様性を認め、それぞれの資質を伸ばすということは・・・人と比べないということにもつながります。エージェントゲートでは誰かと比べるのではなく、昨日の自分と比べてどうなったのかというところに目を向けていきます。常に昨日の自分と戦って、今日の自分が勝者であろうと努める姿勢を持ちます。

ライオンは空をとぶ鷹を見て「なんで俺は空を飛べないのだろう」と悩む必要はないく、鷹は海を泳ぐクジラを見て「なんで僕は泳げないんだろう」と頭を抱える必要はありません。先日もあるメンバーと食事をしているとき「自分に自信が持てない」という話がありました。その彼も彼女も素晴らしい能力を持っているのに・・・二人とも世界に一人しかいない存在で、ものすごい可能性を持っている人材であることを信じて欲しいと伝えました。

他人との比較の中でしか自分の能力を測れないと自分の基準を持つことができません。自分の基準が持てないと周りばかりが気になってしまうものです。人との勝ち負けを考えるのではなく、それぞれの資質を認め合い助け合った方が、新しいものを作り出せるに違いありません。

長所と短所

人間はそれぞれに個性があります。エージェントゲートの目指しているダイバシティーの考え方とは、世の中の全ての人がその個性を活かして働くことにあります。それこそ、タレントマネジメント事業なのです。

個性を活かすには、まずその人の長所を見つけることが前提になります。ところが、この長所を見つけるというのがなかなか難しいことですよね。長所は意外と見つけにくく、短所は本当に目にとまりやすいものです。でも、人を見て、長所を見つけてそこを伸ばしていくことができる人物と私は一緒に働きたいと考えています。

長所が見つけられずに、人を褒めることができない人は思い切って短所だと感じる部分を褒めたらどうでしょう?何を言っているんだ。短所を褒めてどうすると言われそうですけど・・・基本的には短所と長所は表裏一体。短所は長所に通じます。表現を変えるだけでよいのです。

短気な人には決断力があるよねと、優柔不断な人には思慮深い人だよねと、いい加減な人には大胆だねと。

マラソンランナーの宋兄弟は短距離がめちゃめちゃ遅かったみたいです。でも、短距離走は無理でもマラソンでは世界的なランナーになりました。宋兄弟のお母さんは子供たちが運動会の100メートル走でびりになると「走るのが遅いわね」と言うかわりに「あなたたちには100メートルは短すぎるわね」と言ったそうです。

見方を変えて長所を伸ばす。エージェントゲートの教育はそういう方法で行っていきます。