応募する

応募する

Tel.03-4500-9361 / 受付時間:平日10:00~19:00

こちらは全て株式会社エージェントゲートでの採用・募集となります。

「ご放念ください」とはどういう意味?深く理解し常識のある社会人を目指そう

「ご放念ください」といった言葉。社会人になってからは何度か目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。日常会話ではあまり使うことのない言葉ではあるものの、仕事におけるメールなどでは多くのシーンで活用する言葉のひとつです。しかし、意味をわからずに受け取ったままにしていると、実は相手に対して失礼なことをしている可能性があることをご存じですか?今回は「ご放念ください」の意味と受け取った場合の対応、こちらが送る場合の使用例について解説します。記事を通じて、あなたのこれからのビジネスシーンが、より社会人らしい対応をするためのヒントとして役立ててください。

「ご放念ください」とは

会社間でのメールやお客様と交わす手紙などやりとりのなかで使う機会の多い「ご放念ください」という言葉。ビジネスシーンや社会人として恥ずかしい使い方をしないよう、まずは言葉の意味について理解を深めていきましょう。

「放念」とは

「放念」とは気がかりのある事柄を忘れて心に留めないこと、または放神、休神といった意味があります。わかりやすく今の言葉で言うと、「気に掛けない」「忘れる」といった意味です。

漢字音読み訓読み
ホウはな(す)、ほう(る)
ネンおも(う)

それぞれの漢字を音読み・訓読みでわけて解釈すると、”思いを放す(放る)”といった意味になることが理解できます。

そのうえで

  • 「尊敬を表す接頭語」である「ご」
  • 「ほしい」の敬語表現、「くれ」の尊敬語の意味を持つ「ください」

を付けることで「忘れてしまってください」「気になさらないでください」「気を遣わないでください」といった、”相手のことを思い配慮した気持ち”が込められていることがわかります。

「ご放念ください」は電話・メールなどで使う

日常会話では聞くことのない「ご放念ください」ですが、主に取引先やお客様を相手にする際、顔が見えない状況(電話やメールなど)で使用します。社内にいる目上の方や上司に使うのは誤った使用方法なので留意しましょう。

「ご放念」や「放念ください」の類語

「ご放念」や「放念ください」と似たニュアンスを持った言葉はいくつか存在します。バリエーションを増やすことでビジネスシーンで大いに活躍できますから、この機会にしっかりチェックしておきましょう。

ご休心ください
使用例:どうぞご休心ください意味:心を休ませてください、安心してくださいといった意味があり、「放念」と同じ意味を持ちます。
ご放心ください
使用例:ご心配は無用ですので、どうぞご放心ください意味:心にとどめる必要はないことを伝える際に使用します。また安心してほしいといった意味もあります。こちらも「放念」と同じ意味を持ちます。
*お気になさらないでください
使用例:ご心配はありませんので、どうぞお気になさらないでください(または””なさらず”で切る)意味:気にしないでほしいことを伝える際に使用します。「放念」よりも使いやすく、比較的誰にでも使える言葉です。
*お忘れください
使用例:先日お送りした資料は作成しなおしています。前回の内容はお忘れください意味:忘れてほしいことを伝える際に使用します。こちらも「放念」よりも使いやすく、比較的誰にでも使える言葉です。

ただ、「ください」の表現のまま使用すると、やや強制的な印象を与えてしまいます。やわらかい印象で伝えたい場合は、「ご放念」に限らず「ご放心」や「ご休心」などの場合も、「いただけますでしょうか」「くださいませ」を付けて伝えると良いでしょう。語尾を変えるだけで印象がやわらかくなり、相手に強いる印象が薄らぎます。状況や心情に合わせて使い回すようにしましょう。

「ご放念ください」の基本的な使用例

「ご放念ください」には気にしないでほしいといった気持ちや気に病まないでほしいといった、相手を配慮する際に使う言葉です。目上の固やお客様に使うことでより丁寧な印象を与えることができます。この段落では、あらゆるシーンにおける「ご放念ください」の使用例を紹介します。詳しい使い方をマスターし、適切な言い回しを行いましょう。

こちらの都合で相手に何かを申し出る場合

こちらの都合によって相手に何かを申し出る場合は以下のように使用します。

明日の打ち合わせですが、もしご無理であればご放念くださいませ

忙しい相手に対し会う約束をする場合

相手が忙しいとわかっている状況の中で会う約束をする場合は以下のように使用します。

明日の打ち合わせですが急な日程であるため、ご多忙であればご放念くださいませ

誤った書類やメールを送付してしまった場合

間違った書類や資料、メールなどを送付してしまった場合は以下のように使用します。

先ほどお送りしました資料ですが間違えてお送りしてしまいました。お手数をおかけし恐縮でございますが、ご処分くださいませ。何卒ご放念くださいますようお願い申し上げます

ミスをいまだに謝罪する人に向ける場合

以前引き起こされたミス、または少し前に引き起こされたミスに対して引き続き謝罪する方に、「もう気にしないでほしい」といった気持ちを向ける場合は以下のように使用します。

先日(さきほど)のことはすっかり忘れていますので、どうぞご放念くださいね。

新年の挨拶や年賀状を丁寧な言葉で断りたい場合

新年の挨拶や年賀状などを、こちらの都合により丁寧に断りたい場合は以下のように使用します。

昨年は大変お世話になりました。来年も昨年同様よろしくお願い申し上げます。さて勝手ながら本年を最後として年賀状を控えさせていただくことなりました。来年以降の私宛の年賀状はご放念くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

「ご放念ください」を使ううえで気を付ける点

「ご放念ください」を使用する場合の注意点について理解を深めていきましょう。まず、「ご放念ください」には相手に対しての配慮が含められていたり、忘れてほしいことを伝えたりする意味を持っています。なにか謝罪をする場合に使用するのは誤った使い方なので気を付けて使用しましょう。また、早く忘れてほしいことがあるからといった理由から「ご放念いただけますようお願い申し上げます」と使うのも誤った使い方なので注意しましょう。その理由には、謝罪を感じるようなシーンで使うことがあまりふさわしいとは言えないからです。その場合は「お許しくださいませ」などといった言葉を丁寧に使うのがベターです。

「ご放念ください」をメールで受けた場合の対応例

もし「ご放念ください」をメールで受け取った場合はどのように返すのがふさわしいのでしょうか。「ご放念ください」が相手を配慮する際に使用する言葉なので返信する場合には使用しないのがマストです。

返信不要の場合

「ご放念ください」の使用状況によって異なるものの、使用された理由が些細なことであったり、あまり触れない方が良い理由である場合は返信の必要はありません。ただ、スケジュールなどの都合など、相手の無理を飲む状況が必要か否かであり、「ご無理なスケジュールを承知のうえご連絡させていただいておりますので、難しい場合はご放念ください」と使用された場合は「お気遣いありがとうございます」を使用する、無理なスケジュールであることが明確な場合は「大変申し訳ございませんが○日は都合が付かない状況ですので、追ってこちらから都合の良い日時をご連絡させていただきたく存じます」などと返すと親切な印象を与えつつ、改めて連絡することが伝えられます。

返信した方が良い場合

「ご放念ください」を使ったメールが来た場合に、返信した方が良い場合もあります。上述したように改めてスケジュールを伝えますと言った内容を含め、誤ったメールが送信された場合などにおいては「承知いたしました。既に廃棄いたしましたのでどうぞご安心くださいませ」といったメールを返信することで相手も安心できるため、信頼関係を築きやすくなります。また、こちらの過失によって謝罪をした場合、相手から「ご放念ください」と記載されたメールが来た場合は、相手が謝罪を許容したことがわかります。そのときには「お優しい配慮に心より感謝申し上げます。引き続きよろしくお願い申し上げます」などといったお礼の言葉を含め、さらにこれからもよろしくお願いしますといったメールを返信すると良いでしょう。

「ご放念ください」に似た言葉との違い

「ご放念ください」と似た言葉もいくつかあり、状況によっては「ご放念ください」よりもマストな場合があります。ここでは「ご放念ください」に似た言葉の違いと使用例について解説します。

「失念」

「放念」に似た言葉として「失念」があります。失念の意味には、

しつねん失念(しつねん)は「忘れること」を意味する漢語。記憶していた物事や事態を、うっかり忘れること、または、ど忘れすること。「失」の字は「なくす・失う」といった意味、「念」は「覚えておく・心に留めておく」という意味の字である。要するに「失念」は「心に留めておくべきことを失った=忘れた」ということである。
引用:weblio辞書

といった意味があり、うっかり忘れてしまったことを表しています。「放念」は思いを放すことであり、気に留めないでほしい場合などに使うため、全く異なった意味であることがわかります。

失念のよくある間違い失念は、覚えていたり知っていたことをうっかりど忘れしてしまった時に使う言葉なので、もともと知らないことに対しては使わない。また忘れ物をしたり、物を無くしてしまったときにも使用しない。あくまでも自分が「失念」した時に使用する言葉なので、第三者に対して使用する言葉でははない。もしも第三者や目上の人が「失念」したことを表現する場合には、「失念なさる」「失念される」といった尊敬語を用いる。
引用:weblio辞書

よくある間違いにもこのような内容が記載されているため、「ご放念」を言い換えるためのシーンで使うことは適しません。「失念」を使用する場合は、お客様へのご連絡をうっかり忘れてしまいお客様から何度か連絡が来ていたことを上司に伝えられた場合などに「失念しておりました。早急にご連絡いたします」などといった使い方をします。

「ご容赦ください」

「ご放念ください」と似た言葉として、ほかにも「ご容赦ください」もビジネスシーンで多く見かけます。「ご容赦ください」とは、

ご容赦ください相手過失失敗などについて許しを請う場合表現。「お許し下さい」とも言う。
引用:weblio辞書

自分の過失や失敗を相手に許してほしい場合に使用します。たとえば郵便物などでも、

行き違いによりご連絡が重なってしまった場合はご容赦ください

といった文言を見たことがあるかと思います。この場合は連絡が行き違いを起こし、何度か連絡が重なった場合は申し訳ありませんがお許しくださいといった意味があります。会食などに誘われたものの、スケジュールが合わず出席が叶わない場合なども、

せっかくお誘いいただきましたが、あいにくその日は予定があり出席ができません。ご容赦くださいませ

などと使うことで、出席できないことに対して「申し訳ない」「許してほしい」といった意味をうまく伝えられます。

言葉の意味を知り、適切な使い方を

「ご放念ください」には使用する相手に対して「もう気にしないでほしい」「忘れてください」といった意味を持つことがわかりました。社内にいる目上の上司などに使わず、取引先や社外にいる目上の方、お客様などに使うことが主です。

  1. ご休心ください
  2. ご放心ください
  3. お気になさらないでください
  4. お忘れください

といった言葉に言い換えられるため、状況や心情に合わせて使い回すことでより博識な印象を与えられるようになります。ビジネスシーンで活用する言葉はたくさんの種類があります。丁寧に伝えようとすればするほどおかしな文章を生んでしまうのが日本語の難しいところ。誤用しないためにも、言葉の意味と類語、似ているようで全く意味の異なる言葉について深く理解していくことが大切です。