毎日仕事に明け暮れていても、唐突に襲ってくる「孤独感」。安定した収入もあり、悲観する理由なんてないはずなのに、どうして孤独を感じることがあるのでしょうか。孤独を感じる理由には、もしかすると忙しいからこそ気にしていなかった、ある理由が関係しているかも。この記事では孤独に直結する主な理由とその対処法について解説。記事を通じて、理由と対処法に理解を深め、孤独からうまく乗り越えるきっかけにつなげてください。
仕事に対して孤独を感じるのはなぜ？
どれだけ仕事が円滑に進んでいると思っていても、なぜだか唐突に「ひとりぼっち」を痛感することがありませんか。ひとりでいることが心地良い人もいますが、「ひとりぼっち」と「孤独」は意味合いが少し異なります。心地よさを感じたりリフレッシュできたりする「ひとりぼっち」は、自分でその状況を望んだときに実際にひとりになれたことで思えるもの。対して、孤独を感じる理由には、主に精神的なよりどころがないと感じたり、心を通わせられる人がいないことに対して「寂しさ」を感じたりするといった違いがあります。では、具体的にどのような理由からが起因し孤独を感じてしまうのでしょうか。
理想と現実の差に愕然し、その気持ちを吐き出せないでいる
就職活動を経て、現在の会社に勤務することになったとき。あなたの心の中にはたくさんの目標や理想があったのではないでしょうか。それは、収入の面だけでなく、これからの自分がどのように成長できるのか、楽しみや期待が入り交じった状態だったのかもしれません。しかし、実際に会社に勤め仕事をしていくなかで、最初に抱えていた目標や理想とはほど遠いと感じるなにかがあったのではないでしょうか。「社会人としての理想」と「会社に勤める社会人の現実」を目の当たりにしたことで、「理想とは違い過ぎる」「こんなはずではなかった」と愕然としている可能性があります。そんな気持ちを吐き出せる人が職場におらず、その結果「私だけがこう思っているのだろうか」といったモヤモヤした気持ちを抱え込み、精神的なよりどころがないと感じたり、職場で浮いているような気がして寂しくなったりしてしまうのです。そんな日々が続くほど孤独を感じるようになるのです。
自分で心に壁を作っている
職場だけに限らず、基本的な人間関係に苦手意識を持っている人も少なくありません。過去の人間関係でひどく傷ついたことがあったり、人間不信に陥ってしまうような事柄があったりすると、どんな状況であれ人間関係に恐怖心を抱くことがあります。そういった過去の人間関係のトラウマが起因となり、職場の環境が円滑に進むとはわかっていても、知らずのうちに心に壁を作ってしまっているのかもしれません。「もう人間関係で悩みたくない」「もうあんな怖い思いはコリゴリだ」など、過去の人間関係への思いがネガティブであるほど、心の壁も分厚くなり、傷つきたくないからこそ自分から孤独を選んでいる可能性があります。
好意や善意を素直に受け止められない
同僚から「いつも頑張ってるね！エラいよ」と褒められたり、上司から「今回は本当に頑張ってくれた！」とねぎらわれても、どこか素直にその気持ちを受け止められないということはありませんか？「そんな器じゃないのに褒められると荷が重い」と感じたり、「もっと頑張らなきゃいけなくなる」など、なぜだかネガティブに感じたりすることがあれば、自分の良さを素直に受け止められないことにより、自分から孤独に向かっている可能性があります。
人に期待しすぎている
人の好意や善意を素直に受け止められない人がいるなか、一方では人に期待しすぎてしまう人もいます。同僚や上司に対して自分の頑張りを認めてもらいたいと強く思ったり、評価を口にして欲しいと願ったりする人も、周囲との調和がうまくできず、孤独を感じることがあります。
他人のミスに厳しい
仕事をするうえでは、どうしても細かなミスを起こしてしまうことがあります。同僚がミスを起こしたことに気付くと、わざわざその同僚に対して「自分ならミスをしないようにこういうところに気を付けるけどな」と、聞かれてもいないのに責め立てるようなことをしてしまう人がいます。注意する側の気持ちとしては、同僚に失敗して欲しくなく、また作業を円滑に進めたいという気持ちから親切心で言っているはず。しかし、それは上司が言うことであり、同僚からわざわざ言う必要のないこと。このように、親切心が大きくゆがみ、他人のミスに異常なほど厳しい人も、反感を買う結果となり、孤独な環境を生み出すと考えられます。
孤独を感じるときに取り入れるべき対処法
孤独を感じるときは、主に人間関係に疎外感を抱いたり、円滑に進んでいないと感じたりすることが原因だと考えられます。では、どういった方法で孤独を感じにくくできるのでしょうか。ここでは、今夜からでも実践できる7つの対処法を紹介します。
今までの自分を振り返る
人間関係がうまくいかず、ひとりぼっちを感じるようになったのは、きっとなにかしら原因があると考えられます。孤独を感じるときこそ、原因は自分にないか行動や言動を振り返ってみましょう。小さい頃であれば、ちょっといやなことがあればすぐに「どうしてそういうことをするの？」と相手に伝えられていたはずです。それは親に「だめなことはだめと言わなければならない」としつけられていたから。しかし、大人になり社会に出て仕事をするようになると、直接本人に言う機会はめっきり減り、「自分で気付かないなら仕方ない」と放置されるようになります。仕事に対して本気に取り組んでいるからこそ、誰かの欠点を注意するような時間もゆとりも惜しく感じ、孤独に陥りやすいのです。こういった背景をしっかりと考え、まずはあなた自信の行動や言動になにか問題がなかったかを振り返る時間を設けましょう。そして、身に覚えのある行動や言動があったのなら、翌日からでも気を付けるよう努めることが重要です。
趣味や休息に時間を使う
自分の行動やゲンドウを振り返り、「あのときのあのひと言がまずかったかも……」と気付くことができたら、一度考えることをやめ、自分の時間を設けて、休息や趣味に時間を使ってみてください。自分の悪いところが露呈し、悔い改めようと決意したのなら、それ以上考えないことも大切です。なぜなら、自分の欠点に対して反省しすぎるあまり、必要以上に自分を責めてしまい自己嫌悪に陥ってしまう可能性があるからです。あなたの直すべきところがわかったのなら、その部分をしっかりと受け止め、そのうえでリフレッシュする時間を作りましょう。自分のやってきたことを反省する時間とリフレッシュする時間を設けることで、「明日からは気を付けよう！」という気持ちのメリハリができ、深く考えすぎることなく改善を図れるようになります。
今現在の自分があることに感謝する
リフレッシュの時間を作るなら、たまにでいいので今の自分があることに感謝する時間を作ってみて下さい。たとえば、自分の今ある環境は、実は当たり前ではないなどです。今の生活ができているのは、たくさんの人に守られてきたから。家族をはじめ、就職活動を支えてくれた周囲の人たち、落ち込んだときに話を聞いてくれた友人たちがいてくれたからではないでしょうか。安定した収入を得て温かい部屋で美味しい食事ができているのも、あなたの周囲が支えてくれ、たくさんのことを教えてくれたからです。世の中を広い視野で見てみると、仕事をしたくても年齢から面接すら取り合ってもらえない人、働きたくても体調が悪くて働けない若い人、お金が欲しいと思っていても、小さい子供を抱えていることにより、働きに出られない主婦などたくさんの人がいます。世界情勢によって安定していた収入が変動するようになり、家族を守れないお父さんお母さんも多くいます。社会に出て、毎日忙しく暮らすことで、あらゆる視点から物事を考えられなくなることがあります。孤独を感じたときこそ、今までどれだけの人に守られてきたか、どれだけの人に支えられてきたかをしっかりと見つめ、人とのつながりが確かにそこにあったからこそ、今の自分、そして今の暮らしがあることに感謝しましょう。
仲の良い友人に心の内を話してみる
孤独を感じる理由には、人間関係による疎外感が原因だと考えられます。人と人とのつながりがなく、寂しいと感じたときは、仲の良い友人とコンタクトを取り、ランチをしたり、そのなかで自分の今の状況を相談したりするのも良いでしょう。あなたのことを知っている友人だからこそ、どこがいけないのか、あなたの短所を知ったうえで改善すべきところを注意してくれる可能性があります。同僚から注意されれば面白くないと感じたり必要以上に傷ついたりしますが、仲の良い友人からならスッと内容も入ってくるため、すぐに理解し行動を改めようと思えるでしょう。社会人になり会うことが難しいのであれば、無料通話アプリなどを使ってリモート飲みをしながら話すのもおすすめです。
誰かの役に立つようなアクションを起こす
一日一善という四字熟語を知っていますか？1日にひとつで良いので良い行いをすることを指します。人は誰かの役に立つことによって、人とのつながりを再認識し、気持ちが穏やかになります。困っている人がいたら声を掛けてみる、泣いている子供がいたら声を掛け何があったのか聞いてみるなどです。しかし、そういった状況になかなか遭遇しないこともあります。そんなときは、世の中で行われている募金活動に寄付をしたり、あまっている食材や衣類があれば、貧しい国へ寄贈したりする方法もあります。こういった慈愛活動をひとつの方法とすることで、人と人とのつながりを再認識でき、自分が誰かの役に立てていることを実感できるようになり、孤独を感じにくくなります。
笑顔を見せる
人との関わりに対して孤独を感じるときは、率先して自分から笑顔を作ることもおすすめです。孤独を感じてしまう背景には、もしかすると自分の表情が怒っているように見え、話しかけにくいオーラを放ってる可能性も考えられます。忙しくなればなるほど余裕がなくなり、険しい表情になりがちです。「忙しい」の「忙」は心を亡くすと書きます。忙しくなることによって心を亡くしがちになっていませんか？そういうときこそ、周囲の人に笑顔を持って接するよう意識しましょう。
映画や読書をしてインプットの時間を作る
孤独を感じるときは同じ状況を乗り越えた先人たちの本を読み、インプットする方法もおすすめです。どういった原因から孤独を感じ、どういった方法を取り入れて実際に乗り越えたのかを読み進めることで、新たな視野が開拓できたり、これからの人生に役立つ文章に出会えたりするかもしれません。「孤独を感じたときに読む本」と検索することで、社会や会社で感じる孤独と向き合い乗り越えてきた人たちの著書にたくさん出会うことができます。最寄りの書店や出掛けることが面倒だったり、今すぐ読みたい方は電子書籍などを使ったりしてじっくり読んでみると良いでしょう。
孤独はあなたの行動が原因の可能性も まずは自分の行動を振り返り改めることを意識して
職場で孤独を感じるようになったのは、あなたの行動や言動が招いた可能性があります。仕事に対して真面目に取り組んでいたからこそ、知らず知らずのうちに同僚を傷つけてしまったり、不快にさせたりしていたのかもしれません。まずは自分の過去の行動や言動をじっくりと振り返ってみましょう。心当たりがあれば、二度と同じことはしないと留意することが重要です。あなたが知らないだけで、些細なことで傷ついてしまう人だって世の中にはたくさんいます。傷つけるつもりがなくても、傷ついている可能性があるのです。その部分にしっかりと向き合い、これからどのような行動や言動をすれば良いのかを考え、新しい気持ちで明日へと前進しましょう。
