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「拝聴」とは? 正しい意味を理解し正しい使い方をしよう

職場などのメールや手紙で見かける言葉のひとつとして「拝聴」があります。日常生活で聞く言葉ではないため、言葉の意味を把握していないまま過ごしている方も少なくないのでは?この記事では「拝聴」という漢字の意味を知り、言葉の意味を紐解くとともに、類語や英語表現について詳しく解説しています。これからのビジネスシーンにおいて丁寧な日本語を使えるようになるのはもちろんのこと、正しい日本語を使える社会人のひとりとして成長できるきっかけとして役立ててください。

「拝聴」の意味

言葉の意味を理解して使えるようになるためには、漢字の意味をかみ砕いて理解するのが効果的です。神様に祈りを捧げるための行為である「拝む」という漢字と、「聞く」を丁寧に表した「聴く」という漢字が使用されていることがわかりますが、具体的にどういった意味を持つのでしょうか。

「拝聴」とは

「拝聴」という言葉には「敬意を払った状態で相手の言葉や話を聞くこと」とう意味があります。もう少し具体的に理解するため漢字を分解して意味をくみ取っていきましょう。

漢字音読み訓読み
ハイおが(む)
チョウ、テイき(く)、ゆる(す)

それぞれの漢字を音読み・訓読みでわけて解釈すると、”謹んで相手の言葉に耳を傾ける”という意味であることが理解できます。「する」「させていただく」などの言葉をプラスして使うことより丁寧な言葉として使用できます。ただし、自分の行動について使うことはできません。例えば「私は大好きな●●というお笑い芸人のラジオを拝聴することがあります」などといった使い方は誤りとなります。さらに、ビジネスシーンであろうとも、自分の部下や同僚、自分よりも立場の低い人に対して使うこともできません。使用する状況としては有名な講師や先生の講義を聞く場合や、会食、祝賀会などに出席して社長の話を聞く場合などがあります。口頭で使うことはほとんどなく、メールや手紙などの文書として使うのが多い言葉ですから、取引先の講演会などを聞き、お礼の手紙を出す場合は積極的に使いましょう。

「ご拝聴」は正しい?

基本形尊敬語謙譲語
聞くお聞きになる拝聴する、うかがう

「拝聴」という言葉だけで相手に伝えてしまうと、なんだか不躾な言葉に感じてしまう方も多いはず。上記の表を見ると「拝聴」は「聞く」の謙譲語として変換されていることがわかります。つまり、すでに丁寧な言葉として成り立っているということです。謙譲語である言葉に対してさらに接頭語の「ご」を付けることで誤った敬語の使い方、「二重敬語」となります。

二重敬語とは

二重敬語とは、同じ種類の敬語を二重に使った言葉のことを指します。日本語には5種類の敬語表現があり、同じ敬語表現を重ねて使うと二重敬語になります。今回の「拝聴」の場合は「聞く」が謙譲語Ⅰで変換されたものであることがわかります。「ご」も丁寧語の役割があるので「ご拝聴」だけで2種類の敬語が使われていることになります。丁寧な言葉を使おうと意識しすぎるあまり「ご」を付けたくなる気持ちはわかりますが、日本語の使い方としては誤用ですから謙譲語などの意味も合わせて理解しておくと良いでしょう。

「拝聴させていただきます」は正しい?

基本形謙譲語
~してもらう~していただく
もらういただく

先述してきたように「拝聴」もすでに謙譲語として成立しており、「させていただく」も「してもらう」の謙譲語。どちらももともとの言葉を丁寧にした言葉であることを認識していれば、二重敬語をせずに正しい日本語と敬語が使えるようになります。

「拝聴」の正しい使い方

「拝聴」という言葉はどういった表現方法で使うのでしょうか。「する」や「します」、「させていただく」などを付けることで、どのような相手に対してふさわしい言葉になるのか知っておきたいと考える人も多いはず。ここでは目上の人や取引先などに使う場合の例文とともに説明します。

拝聴する

「拝聴する」のように「する」を付けることで動詞に変えることができます。

講演会で拝聴することができ、有意義な時間を過ごせました。ありがとうございます。 など

拝聴します

「します」に語尾を変えたことで動詞になっていて、さらに丁寧な表現になっていることがわかります。その結果目上の人や取引先などの相手に対して、柔らかい印象を与えられるようになります。目上の人や取引先以外にも、ビジネスにまつわる専門家の話などを聞く場合にも適していますから、非常に使いやすい言葉と言えるでしょう。こちらも謙譲語ですから年下や自分よりも立場が下の人には使わないようにしましょう。

明日は○○時より●●先生による講演会を拝聴します。 など

拝聴しています

「しています」を付けたことで進行形の状態で伝えられるようになります。

POINTする:これから行う状態を伝える言葉します:丁寧に伝える言葉しています:今まさにしている状態を伝える言葉と、それぞれ意味合いが異なることを理解しましょう。
毎年●●さんによるステージを拝聴しています現在○○先生のアドバイスを拝聴しています など

拝聴しております

さらに丁寧な言葉にした「拝聴しております」は、自分を謙って表す敬語表現として使うことができます。使用シーンは主に上司や目上の人をはじめ、取引先に使うのが一般的です。年下や立場が下の人に対しては使うことができませんから、使用状況に注意しましょう。

●●発表会は毎年必ず拝聴しております○○先生のご高話を拝聴しております など

「拝聴」の類語

「拝聴」という言葉自体が謙譲語だと理解できたら、類語を取り入れるのも簡単です。類語や言い換え表現を使う場合はどのようなシーンで「拝聴」を使うかがポイントになります。ここではあらゆるシーンに活用できる「拝聴」の類語について、例文と合わせて解説します。使用状況をイメージしながら言葉の使い方に理解を深めましょう。

お聞きする使用例:●●様のご意見をお聞きすることができ大変参考になりました。ありがとうございました。昨日は●●様から貴重なアドバイスをお聞きすることができ大変勉強になりました。 など
*意味:「お聞きする」は「拝聴」の類語であり、さまざまなシーンで活用できます。上記にある表に記載されているように「聞く」の謙譲語であるため、自分の年下や立場が下の人には使えません。

承る使用例:先日の講義では●●さんによる貴重な意見を承りました昨日は●●先生のアドバイスを承ることができ大変光栄でした など
意味:「承る」も「拝聴」の類語として活用可能です。目上の人や取引先、尊敬する講師などの講義や話を聞いた場合に使います。

伺う使用例:昨日は●●さんから直接アドバイスを伺うことができ大変光栄でした作業における注意点を部長から伺うことができ、次回に生かせると感じました など
意味:「聞く」の謙譲語である「伺う」を使用するのも問題ありません。一般的に「伺う」は訪問するといった意味合いで使いますが、上述した例文のように自分を謙って目上の人や上司から話を聞いた場合も使うこともできます。

傾聴使用例:●●さんの話に傾聴したことによりたくさんのアイディアが浮かびました。 など
意味:「傾聴」は「熱心に相手の話を聴く」という意味合いがあります。「拝聴」と似たニュアンスを持っているため類語として使うことができます。年下や立場が下の人の話を熱心に聞いたという状況の場合に使います。

謹聴使用例:まもなく●●さんの講演会が開演しますので着席して謹聴していただきますようお願い申し上げます。●●先生のスピーチが始まると観客は謹聴しました。 など
意味:「謹聴」は日常会話で使うことがほとんどなく、演説などの開始時に聞く言葉です。「謹んで相手の話を聞く」という意味のほかにも、誰かに対して静かに話を聞いて欲しい場合も使うことがあります。

清聴使用例:ご清聴戴きありがとうございました。講演会をご清聴いただきありがとうございました。 など
意味:「清聴」は選挙や講演会などに使用することの多い言葉です。「拝聴」は謹んで耳を傾ける立場として使うのに対し、「清聴」は話を聞いてもらった人が使う言葉になります。シーンによって意味合いが異なる言葉ですから、注意して使い分ける必要があります。

拝聞使用例:先日は●●先生の講演会を拝聞でき大変勉強になりました。 など
意味:「拝聴」には「拝聞」と呼ばれる類語もあります。意味も非常に似ており、「謹んであなたの話を聞く」「敬意を払ってあなたの話を聞く」といった意味があります。ほとんどの場合は「拝聴」を使うため、「拝聞」に言い換えて使う人はごくわずかですが、言い換えて使うことで「言葉を正しく使える社会人」として相手に印象づけることが可能です。

「拝聴」を英語表現で伝える方法

「拝聴」は英語で表現することも可能です。ここでは「拝聴」を英語に変えた表現方法と、類語を含めた英語表現を紹介します。海外出張が主なビジネスパーソンやグローバルな企業に勤めている方、取引先が海外企業である方などを中心に、「拝聴」に関する英語表現を学べるきっかけとなりますから、英語でメールや手紙を作成する方はチェックしましょう。

enjoyment、delectation(拝聴)
I am all attention(拝聴しております)
I think that I want to listen to your lecture(あなたの講義を拝聴したいと思っています)
I enjoyed your keynote speech(私はそこであなたの基調講演を拝聴しました)
We are most willing to listen to your valuable suggestions(ご高説を拝聴させていただきます)
All the attendees except the choshonin should listen with their heads bowed(調製人以外の参拝者は頭を垂れ拝聴する)
It is read by means of mawariguchi (to read part by part daily)(回り口にて拝読(拝聴)する)
When reading has finished, do gassho raihai and shomyo nenbutsu(拝読(拝聴)後、合掌礼拝・称名念仏)
I enjoyed your lecture very much(講演を面白く拝聴させていただきました)
listen (attentively) to 《somebody’s talk》(傾聴する)
be all ears [attention](傾聴する)He listened devouring every word(一語も聞きもらすまいと傾聴した)
That is a noteworthy view(それは傾聴すべき説だ)His speech was listened to with great interest(彼の演説は多大の興味をもって傾聴された)
Listening to your valuable story has become very helpful to me(あなたの貴重なお話をお聞きすることができ、大変勉強になりました)
I have something to ask you(お聞きしたいことがあるのですが)
I’d like to ask you something(お伺いしたいことがあるのですが)

正しい意味とふさわしいシーンを考慮して使い分けよう

「拝聴」は「聞く」の謙譲語であることが理解できれば、あとは類語や言い回しに注意するだけで丁寧な日本語が使えるようになります。この記事を通じて謙譲語の意味についても理解を深めれば、正しい日本語を使うのも簡単になるはずです。正しい日本語を使い、正しい敬語を使えるようになれば企業にとっても頼もしい社員として活躍できるようになりますよ。