36歳での転職は厳しいと言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。確かに、20代と比べて募集案件も少なく、その分転職する企業に最適なスキルがないと採用にならないような気がしてしまいますよね。今回は36歳での転職が難しいと言われる理由と成功するためのポイントについて解説します。具体的な理由と適切なポイントをチェックして、採用される可能性をアップさせましょう。
36歳の転職は難しいって本当？その理由とは？
36歳と言えば40代にも近づき、そろそろ定職に就いていなければならない年齢です。しかし、あらゆる理由から転職を考える人も少なくありません。実際のところ、36歳での転職は厳しいのでしょうか。厳しいと言われる理由について調査してみたところ、主に2点のポイントがあることが分かりました。
求人情報が比べて少ない
求人情報サイトなどをみていると、30代後半からの募集案件が少ない傾向にあることが分かりました。政府の調査によれば、年齢別有効求人倍率の全国の年齢平均は25歳〜34歳と言われています。数字に表すと1.35、35歳〜44歳で1.14といった数字になっています。数字で見ると分かるとおり、35歳を一区切りにして、求人数が減少していることが分かります。求人数が少なくなってしまうと同年代の応募倍率が上がり、さらに採用競争率も上がってしまいます。こういった傾向が、36歳の転職は難しいと言われるひとつの原因となっているのです。
経験にあったスキルを求められる
36歳以降の転職では、応募先の企業からの印象として、今後のライフプランやキャリアプランについて明確な目標を持っていると思われることがほとんどです。その理由は、36歳という年齢から、定職に就いていることがほとんどである年代であるにも関わらず、転職を志望しているからです。転職にはなにかよっぽどやりたいことや目標があって転職を望んでいるのだろうと考えられるからです。そのため、在職中の転職であれば「どうしてわざわざ弊社に転職しようと思ったのか」について深く知りたいと考えるのが採用担当者の気持ちなのです。30代も後半になり、定職に就いているはずの年齢であるはずなのに、転職を希望すると言うことは、きっと今後の目標が定まっているからだろう。そういった背景を考慮して、これまでの経験から得たスキルや能力を持っていながらも、転職の理由が明確な人ほど、採用されやすいと言えます。
36歳の転職で求められる能力・スキル
36歳での転職において、求められるスキルや能力にはどういったものがあるのでしょうか。具体的には以下の3つの能力が求められると考えられます。
- これまでの経験で得た能力や知識
- 育成能力
- 応募先で通じるスキル
これまでの経験で得た能力や知識
長期間働いている人がいると、どうしてもその社風や風潮に流されてしまうことが多いのが企業の形。そのため新しい人材を取り入れ、新しい流れを生み出して欲しいと考える企業も少なくありません。古く凝り固まった風潮だけでなく、新しい風潮を生み出すことで、今を生きる人達へと提供しやすい商品への導火線になり得ると考えているからです。そういった理由を踏まえ、これまでに経験してきた企業での能力や知識などを活かせそうだと感じる人材が見つかれば、採用までスムーズに進むことがあります。
育成能力
若い世代であれば、周囲に聞いて仕事内容を覚えていくことが大半です。しかし、36歳となれば一度聞いたことをしっかりと覚え、そのうえでさらに新しい人材へと情報共有し、育てていける年代でもあります。そういった期待を背負う世代であるため、育成能力についても長けていることが採用の規準になりやすいと考えられます。特に、過去の職歴のなかで実際にマネジメント能力を培ってきた場合や、チームリーダーとして活躍してきた実績がある場合は、転職先でも大きな即戦力になると考えられ、採用までの道のりが非常に近いと考えられます。
応募先で通じるスキル
育成能力だけに留まらず、ほかにも応募先でも速やかに通じるスキルや資格などを持っている場合は優遇されやすい傾向にあります。あらゆる経験や知識を持っていると受け取られやすい年齢だからこそ、即戦力を持っているかがカギになるのです。そういった背景から、応募先でも活用できるスキルや資格などを持っていることで、即戦力と捉えられ、採用までの道のりが近いのです。
36歳の転職を成功させる7つのポイント
36歳での転職では、どのようなことを意識することで成功しやすくなるのでしょうか。成功の近道となるポイントを事前に知っておけば、転職期間を最短で済ませられる可能性もありますし、採用までの近道となり得ます。ここでは36歳の転職において成功しやすい7つのポイントについて解説します。
これまでのスキルが活きる企業=即戦力
先述したように、36歳という年齢は、ある程度の経験もあり、そのうえ知識やスキルを持っていると評価したうえで面接を行います。そのためあらゆるスキルや経験を持っていることが、企業にとって即戦力になるかを判断基準にして合否を決める場合がほとんどです。そういった背景を含め、まずは自分の持つスキルや資格を洗い出し、転職しようと考える企業が自分にマッチしているかどうかを熟考することが重要です。
やりがいを得られるかどうか
仕事をするうえで大切なことは、人間関係や給与のほかにも、やりがいを得られるかも大きな判断材料となります。毎日やりがいを感じながら働く仕事と、やりがいも興味もない仕事をする場合、どちらが充実した日々を過ごせるでしょうか。仕事にやりがいを見いだすことは、すなわち自分の存在価値を見つけるということ。誰でもこなせる仕事であったとしても、やりがいを感じられなければ長く続けることは不可能です。興味が湧いたからという単純な理由で応募するのではなく、実際に働くことをイメージしたうえで、自分自身が充実した日々を送れるビジョンがイメージできるかどうかも、企業を選ぶひとつのポイントにしましょう。自分が働くことがイメージでき、さらに転職したいと考える企業でどうなっていたいかが明白になれば、面接時の質問も、より具体的に回答することができるようになります。
これまでの経験をふんだんに活かせるかどうか
コンビニ店員やWebライター、学校教員やOLなど、あらゆる経験をしてきたうえで転職を考える人も多いでしょう。そういった数々の経験を新しい企業でも立ち打ちできるか、ふんだんに活用し、企業にとってプラスに働けるかを考えることも重要です。たとえば、長期間接客業を経験してきた人が、営業職をメインにした企業に転職しようと考えているとしましょう。接客業を続けてきた人には、人とコミュニケーションを取ることが好きといった強みがあります。コミュニケーション能力が高ければ、入社後の人間関係も円滑に行われることが採用担当者でも理解できます。さらに、営業職がメインとなる企業であるため、新しい企業や顧客になり得る人に対しても積極的に話しかけられる、つまり営業ができるといった予想がつきます。コミュニケーション能力が強みの人であれば、自分のスキルや経験、能力を生かせる営業メインの企業を選ぶなど、これまでの職種で得たものすべてをふんだんに活かせるかも熟考することが大切です。
これまでの経験やスキルを持って、企業でどのようになりたいかを明白にする
自分の持つスキルや資格、経験などを踏まえて、希望する企業に入社した場合にどうなっていたいかを明白にすることも重要です。というのも、転職の場合の面接では、これまでの経験やスキルを具体的に話すことはもちろんですが、企業に入社したことによってどうなりたいか、目標はあるのかについて質問されることが多数あります。つまり、『36歳の転職で今後のビジョンはどういったものを持っているのか聞きたい。そのうえで、弊社がマッチしているのかを、自分(応募者)自身で判断できているかを知りたい。そしてその理由も……』と思っています。単純に給与がいいからといった理由や、すぐに働けそうだと感じたから、といった直接的な理由ではなく、企業に入社したことによってどういった目標を持ちたいか、またはどういった活動をしていきたいのかを伝えられる企業へと応募するようにしましょう。
主婦であれば育児と家事のバランスが保てるかも重視する
小さな子供を育てているママや、家族を支える主婦が転職を考えている場合も少なくないでしょう。今まではパートだったものの、子供も大きくなり、過去に取得したスキルを活かしてフルタイムで働きたいと考える人も多いはずです。企業に転職した場合は、パートと違いシフトを組むわけでも休みに融通を利かせてくれることもありません。一人の社員として、毎日会社に勤めることが求められます。企業に入社することで、今までの生活スタイルにどのような変化が訪れるかを深く考え、そのうえで自分のスタイルでも問題なく働けるかどうかを考慮することが大切です。
36歳の転職は長期戦になることも予想しておく
30代後半になると転職できる企業の数が減少し、競争率がアップすると冒頭でもお話ししました。そういった背景を踏まえ、いざ転職したいと思い活動しても、最悪は長期戦になってしまう可能性があることも予想しておきましょう。スキルや経験、知識などが希望する企業にマッチしていれば、スムーズに転職できる可能性がその分だけアップします。しかし、ほとんど経験がない場合や未経験の職種を希望する場合は、競争率が高いために困難を感じることも少なくありません。ですから、自分自身を振り返り、何をしたいか、自分が持つスキルが役立つかなどをしっかりあぶり出すことが重要です。
転職は在職中に 家族がいる場合は相談してからアクションを
定職に就いている人や定職に就きつつも家族がいる人は、働きながら転職先を見つけること、家族と相談して決めることが大切です。というのも、退職してからであれば、次の職に就くまで収入が減り、失業手当で暮らすことになります。失業手当の1日の上限は、30歳～44歳までで6,755円となっており、その金額の範囲から給与と照らし合わせて算出されます。そのため、実際の給与よりも少ない収入となってしまうため、生活に支障をきたす恐れがあります。ご自身の収入が、生活を支える一部となっている場合は、家族と相談して決めること、在職中にアクションを起こすことが今の生活を圧迫させない方法のひとつです。
まとめ
36歳が転職するということは、今後のライフプランやキャリアプランが明確になっていることが重要なポイントです。給与が良いといった理由や、家から近いといった安易な理由では、採用は難しいと考えられます。36歳になるまでに、どのような経験をしてきたか、そのような職場に就き、どのようなことを学び取り入れてきたかなど、これまでの経験を今一度振り返ってみましょう。そのうえで転職したい企業が見つかった場合には、
- 自分のスキルが即戦力となり得るか
- 入社したことでやりがいを得られるか
- 自分の経験やスキルがふんだんに活き、企業にプラスをもたらすことが可能か
- 入社したことで自分はどうなりたいか
について熟考することが大切です。企業に入社したことでどういった戦力になるのか、その戦力を活かして、企業でどのような活動をしたいかといったビジョンを持つことで、面接時もより具体的な回答ができ、採用担当者に強いインパクトを与えることができます。採用率、競争率が高まる年代であるからこそ、ご自身の強みを明確にすることが求められます。個性的ではなくとも、「このスキルだけは誰にも負けない」「この能力があるからこそ、今まで多くの職務を全うできた」といったご自身なりの強みを見つけ、誰よりもインパクトを残せる面接を行い、採用につなげられるようにしましょう。
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